セローのチェーンを組付けていきます。
チェーンが組み付けば、やっと走れる状態になります👍
今回はバイクのチェーンのお話。
【~目次~】
バイクチェーンの種類
大きな違いとしては、「シールチェーン」と「ノンシールチェーン」の二つに分かれます。
シールチェーン・・・
チェーンの伸びを防止するために、ピンとブッシュの間にグリスが封入されており、内側で漏れてこないように栓をしている。
ノンシールチェーン・・・シールチェーンのようなシールが無いため、小まめなメンテが必要。
【メリット・デメリット】
シールチェーン | ノンシールチェーン | |
メリット | ・高寿命 ・チェーン調整の頻度が少なくて済む ・劣化による馬力ロスが少ない。 | ・軽量で総幅が狭い ・シールチェーンに比べて安価 |
デメリット | ・ノンシールチェーンに比べると高価 ・シールの分、重量が重い | ・寿命が短い ・伸びやすい分、調整の頻度が高い ・劣化と共に馬力のロスも増加する |
交換目安 | ・約20,000km前後 | ・約5,000km前後 |
シールチェーンの方が、高寿命で伸びにくい分張りの調整なども少なくて済みます。その分値段が高いです。
ノンシールチェーンは安い分、小まめにメンテしてあげる必要があります。
どちらも一長一短はありますが、ノンシールチェーンがダメってことはありません。
キチンとメンテをしてあげれば十分に性能を発揮してくれます。
チェーンの記号表記
いざチェーンを購入しようとしたときに、色んな表記がありどれが自分のバイクに合うのか
どれがどんなタイプなのかイマイチ分かりにくい💦
有名メチェーンメーカーのそれぞれの表記記号を解説します👍
各メーカーさんで表記の仕方はバラバラですが、各記号の意味合いは基本一緒です。
①=チェーンの色(表面処理)記号
【EKチェーン】
左記号:外プレート色
CR:クロムシルバー
GP:ゴールド
BK:ブラック
AR:メタルレッド
AB:メタルブルー
右記号:内側プレート色
NP:ニッケルシルバー
GP:ゴールド
【DIDチェーン】
左記号:外プレート色
右記号:内側プレート色
S&S:シルバー
G&G:ゴールド
記号なし:スチール
【RKジャパン】
GV:ゴールドメッキ調
BL:外内プレートはブラック、ピン・ローラーはゴールド
GP:外内プレートはシルバーメッキ
記号なし:表面処理なし
②=チェーンサイズ
チェーンのサイズは規格化されているため、表記はインチサイズで統一されています。
上一桁の「5」はチェーンピッチ
(5/8インチ=15.875mm)
下二桁の「30」チェーンの内幅
(3.0/8インチ=9.53㎜)
各メーカーのHPで詳細が載っているので、購入検討の際は参考にされると良いと思います。
③=チェーンの銘柄
チェーンの銘柄とは、「520ZVX3」、「520RR/SM」、「NZシリーズ」などのシリーズ名を表しています。
④=リンク数
リンク数とは、チェーンの長さを差します。
リンク数を数える場合、「ピン」を数えた方が間違えなく簡単なのでオススメです。
「ピンの数=リンク数」です。
⑤=ジョイントの種類
種類 | クリップタイプ | 軽圧入クリップ | カシメタイプ | スクリュータイプ |
特徴 | ペンチやプライヤーで | プレートをウォーター ポンププライヤーで 圧入し、クリップで 止めるジョイント | プレートを圧入 カシメを専用工具で 取り付けるタイプ | EKオリジナル カシメ専用工具不要 10㎜のメガネレンチで 取り付ける |
強度 | △ | 〇 | ◎ | ◎ |
EKチェーン 品番 | SPJ | SKJ | MLJ | SLJ |
DIDチェーン 品番 | RJ | FJ | ZJ | ー |
RKチェーン 品番 | CL | ー | CLF | ー |
ジョイント部のチェーン強度という面では、「カシメタイプ」、「スクリュータイプ」が一番。
但し、カシメタイプはカシメの専用工具が必要なのが難点。
EKチェーンの「スクリュー」タイプは専用工具不要なので、オススメみたい。
EKのHPに取り付けの説明書もあるので、見ながら作業すれば問題なくできると思います。
セローへのチェーン組付け
チェーンの下調べも終わったところで、実際にセローに組付けていきます。
今回は、とりあえずバイクの様子見もあるので安いノンシールチェーンを選択。
お高いシールチェーンを買っても、セローが動かなくなったら勿体無いですからね💦
まずはジャッキでセローを上げて、リアタイヤを浮かせます。
ドライブスプロケットカバーのネジ固着
チェーンを通すためには、当然ドライブスプロケットに噛ませる為
カバーを開けるのですが、このネジが固着&舐めてるで緩まない💦
こんなネジの時は、ショックドライバーの登場です👍
ハンマーで叩く衝撃と、叩いた瞬間に回す構造になっているため
固着したネジやボルトを緩める際に重宝します。
バッチリ緩みました👍
ショックドライバーはマジオススメです!
ここのネジは新品に替えとこ💦
カバーが開いたとこで、フロントのドライブスプロケットを組付けます。
スプロケットのネジ部には緩み防止の為に、ネジロック剤をボルトに塗布します。
リアタイヤのアクスルボルトを緩めて、調整ネジを一番下まで縮めておきます。
このチェーンは一番簡易的なクリップタイプのジョイント。
印字の向きや、クリップの向きが指定されているので間違えないように慎重に作業します。
クリップタイプは、プライヤーやラジオペンチなどで簡単に組付けられます。
チェーンが組み付けれたら、チェーンのたるみを調整します。
DIDのチェーンの説明書には20~25㎜の調整と記載がありますが
セローなどのオフロード車の場合は、リアの沈み込み(サスペンションのストローク)が大きいのでチェーンのたるみが少ないと沈んだ時に、チェーン張りすぎてしまいます。
そのため少し多めにたるみを付ける設定となっています。
オフロード車と、オンロード車ではチェーンの張りの基準値が違うので要注意です。
ということで、ざっくりと振れを確認してリアホイールの調整ダイヤルを設定します。
ダイヤル位置が左右で違わないように、しっかりと確認します。
ってか、設定値がほぼ「0」💦
セロー合ったチェーンを購入したはずなのになぁ・・・。
スイングアームとのクリアランスもギリギリ💦
120リンクじゃなくて122~124リンクくらいの方が良かったかな~。
アクスルボルトもある程度に締めたら、リアのタイヤを回してチェーンの状態やタイヤの振れが無いか確認します。
問題なければ、規定トルクで締め付けて作業完了~。
車体を下ろして、バイクにまたがった状態でもチェーンの張りを少し確認すると良いと思います。
また、ノンシールチェーンの場合は初期の伸びが発生するので100kmくらいでもう一度チェーンのたるみの確認するのをオススメします。
これで、バイクが乗れる状態になりました~👍
チェーンのメンテナンス
チェーンもきちんとメンテナンスをすることで、寿命を延ばし劣化による馬力ロスを軽減してくれます。
大まかなチェーンメンテナンスの手順をご紹介します。
【準備】
①チェーンの掃除の際に、スプレーや油分が飛び散るので汚れても良い格好で💦
②チェーンの裏や、タイヤに飛び散らないように仕切り用のダンボールも用意できると良し👍
③パーツクリーナー(ホームセンターの安いやつでOK)
④チェーンクリーナー
⑤チェーンルブ(シールチェーン用と、ノンシール用が別にあるので注意)
⑥チェーンクリーナーブラシ(3方向の専用ブラシ)
一般的なナイロンブラシでもいいんですが、これがあると掃除がメチャ楽👍
⑦ウエスかもしくは、100均のペーパータオル。
【手順】
①リヤのタイヤをジャッキで上げて、チェーンの裏に段ボールを差し込みます。
ジャッキが無くても、車両を少しづつ前に移動させれば問題なく作業できます。
②チェーンクリーナーをチェーン全体に吹き付ける。
(リアタイヤを上げて、タイヤを回しながらチェーンの一点に吹き付ける感じ)
②ブラシでチェーンを磨いていく。
(スプロケットに当たる内側を中心に)
③再度チェーンクリーナーを吹き付けて同じようにブラッシング(2回目)
④パーツクリーナーでチェーン表面側を洗い流す。
⑤チェーンの拭き取り。
(ペーパータオルでチェーンを拭きあげます。チェーンに添えてタイヤを回す感じ)
ここで注意なのは、チェーンを直接手で引きながら回すのはリアのスプロケットに指が挟まれる恐れがあるので大変危険です。
面倒がらずにタイヤを回しながら、チェーン位置をズラすようにしましょう👍
⑥チェーンルブをチェーン全体的にまんべんなく吹き付ける。
(余分なオイルは拭き取ります。)
⑦チェーンルブがしっかり定着するように約15~30分程度放置する。
いくら定着性の良いチェーンルーブでも、すぐに走ると飛び散ってしまうのでしっかりチェーンに定着するように放置しておきます。
チェーンオイル差しや、クリーニングの時期は?
チェーンルブによるオイル差しは500km程度で実施するのが大体のチェーンメーカーの推奨。
チェーンクリーナー等での全体清掃は1000km(オイル差し1/2回に実施)を推奨されています。
シールチェーン、ノンシールチェーンであろうが小まめなメンテが結果的に寿命を延ばし、無駄な出費を防ぐことになります。
愛車の調子を見ながら、小まめに可愛がってあげましょう。
今回のアイテム
ネジロック剤といえば、ロックタイトが超有名。
舐めたネジや、固着したネジはショックドライバーで解決!
特に古い車両は、固着したボルトが多くあるのであるとマジ便利です。
チェーン「DID 420シリーズ」
ノンシールタイプで安価。クリップタイプなので、ジョイント強度は弱いです。
中~大型車両や、競技などをゴリゴリ走る人にはあまりオススメできないかも。
チェーン「DID VXシリーズ」
シールチェーンですが、比較的安い群類でコスパ良しのVXシリーズ。軽圧入ジョイント付属。
リンク数も細かく設定されているので、次回はコレ付けたい👍
カシメタイプジョイント付属タイプ。
チェーンクリーナー
呉工業のチェーンクリーナー。
安価で手軽に使える上に、シールチェーンにも対応してるのでオススメ。
パーツクリーナー
チェーンのメンテ以外にも活躍。整備作業に欠かさないパーツクリーナー。
高いものではないので、ケチらずドバドバ噴いちゃいましょ👍
チェーンブラシ
こちらも、チェーンメンテ時に必須のアイテム。
一回のブラッシングで3方をブラッシングできる優れもの。
ブラシ4点セット
ブラシ4点セットでしかも安い。チェーン洗浄器まで付いてる。
これがあれば、バイクや自転車までも一通りメンテが網羅できる。チェーンメンテの時短にオススメ。
呉工業 チェーンルブ
シールチェーンにも使えるチェーンルブ。
安価でコスパ良し。口コミ、性能も悪く無し、オススメ👍
チェーンルブ、クリーナーセット
呉のチェーンクリーナーと、チェーンルブがセットになったお買い得なやつ。両方個別に買うよりお得。
こちらは、WAKO’Sのセット。
少々お高いが、有名メーカーだけあって信頼性と確実な性能は裏切らない。
様々な用途で使えるペーパータオル
パルプ製の為、ほづれクヅが出にくいペーパータオル。
オイル交換など、バイク整備で色々と活躍してくれます。
今回はバイクチェーンの話でした。
ご参考になれば幸いです。
ではまた。