今回は、ジクサーSF250のチェーンに関してのお話。
前に、チェーンメンテのやり方はご紹介しましたが
私のジクサーは納車から5000km程度走ったので
そろそろ、チェーンの張りの点検や調整を一度やってみようと思います👍
この記事はこんな方におすすめ
- 自分でチェーンの張り調整を自分でやってみたい。
- やり方が知りたい。
注意
ご紹介する作業を参考にされる場合は、いかなる場合も保証致しませんので必ず自己責任の上実施ください。
不安な方はショップにお願いしましょう。
まずはチェーンの点検から👍
【~目次~】
チェーン点検
作業の際は、極力平坦な場所で実施しましょう。
①トランスミッションをニュートラルにする。
点検の際はタイヤを回しながらチェーンの状態を確認するので
ギヤをニュートラルにすることでタイヤを回せるようにします。
②バイクにジャッキをかける。
後輪タイヤを回すために、ジャッキをかまして後輪を浮かせます。
ジャッキアップには「DAYTONA イージーリフトアップスタンド」を使ってます。
安いし、簡単だし、保管場所もとらない。
チェーンのメンテ作業は頻度が高いのでメッチャ楽に作業ができます👍
スタンドの使い方などは、過去のチェーン清掃の記事で
紹介してるのでそちらを参考にしてみて下さい。
【ジクサーSF250】チェーンメンテナンスDIY!!
走行距離も慣らしが終わり1000km程度になったので チェーンメンテナンスをしていこうと思います。 以前、セローの記事で ...
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③チェーンの状態チェックの項目
一般的なチェック項目は下記。目視やチェーンを触ってみて確認します。
・ピンのがた
・ローラーの損傷
・リンクの乾燥または錆
・リンクの曲がり、固着
・異常摩耗
・調整不良(たるみ)
・Oリングシールの欠損
チェーンのがたつきチェック
チェーンがスプロケットに掛かっている箇所を後ろ引っ張ってみて、ガタツキが無いことを確認します。
正常であれば、ガタツくことはありませんが
消耗が進むと、スプロケットに掛かっているにもかかわらずガタツくようになります。
こんな状態の場合は、チェーンを新品へ交換すると判断しましょう。
Oリングの欠損のチェック
これは、シールチェーンの場合のみですが
タイヤを回しながら、チェーンの間にあるOリングが飛び出したり、無くなっていないかをチェックします。
錆やメンテ不良、チェーンの消耗により、Oリングのが千切れたり
無くなってしまうことがあります。
Oリングが損傷、欠損することでOリングによる封入グリスがシールできなくなり
封入されていたグリスが流出してしまい
チェーンの潤滑が行えず、一気に摩耗を促進していきます。
こんな状態の場合も、早急に新品へのチェーン交換をオススメします。
チェーンの構造などは、過去記事をご参考に。
【セロー225 2LN】チェーン組付け編、バイクチェーンの知っ得あれこれ。
セローのチェーンを組付けていきます。 チェーンが組み付けば、やっと走れる状態になります👍 今回はバイクのチェーンのお話。 ...
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クリーニングや給油のメンテナンスをする時だけでなく
日常的にちょっと気にしてチェックしてあげるだけでも
バイクの寿命を延ばし、安全に乗ることができます。
ポイント
消耗によるチェーンの交換時はスプロケットとセットでの交換するべし
チェーンが消耗しているということは、接しているスプロケットも同様に消耗しているということ。
チェーンを交換するタイミングでスプロケットも交換しましょう。
部品代は掛かりますが、個別で交換するよりセットでやった方が工賃は安く済む場合が多いです👍
ドライブチェーン長さの点検
チェーン長さの点検とは、チェーン摩耗によるチェーンの伸びを点検することで交換の目安にすることができます。
①リアのアクスルナットを緩める。
まずは、リアタイヤを固定しているアクスルナットを緩める。
ジャッキアップした状態のままなら、降ろしてスタンドを掛けた状態で作業します。
ナットのサイズは24㎜。
ちなみに、反対側のシャフトボルトの頭は19㎜です。
メガネレンチやモンキーレンチなどで、ナットを舐めないようにしっかり押さえながら緩めます。
両側にメガネレンチを噛ませて、右側のナット側に力を入れて緩めるのがポイント。
左側のシャフトボルト側は、供回りしないように押さえておくだけ。
緩める際に力を入れすぎると、車体が前や横に傾いて倒れてしまう可能性もあるので注意が必要。
ナットを回す下方向、または上方向に力を入れるようにすると良し👍
アクスルナットは軽く緩めるだけで、外す必要は無し。
②チェーンアジャストナットを締めこむ
アクスルナットを緩めたら、再度ジャッキアップ。
左右のチェーンアジャストナットを均等に締めこんで、ドライブチェーンをいっぱいに張ります。
チェーンアジャストナットは12㎜。
チェーンアジャストナットを締めこむことで、中に通っているボルトが引っ張られて
それにつながるアクスル(タイヤ)も後方に移動します。
そうすることで、チェーンが張られる構造。
ポイント
・アジャストナット締める = チェーンを引っ張る。
・アジャストナットを緩める = チェーンが緩む。
と覚えておくと良いです👍
③チェーンピッチの測定
ピンと張られた状態で、チェーンの基準長さを測定。
チェーンのいずれかのピンに対し、21ピン(20ピッチ)間の距離を測定します。
使用限度:319.4㎜
チェーンのピンの摩耗による伸びを測定し、限度の長さ以上の場合、新品交換の目安となる。
測りやすいチェーンの下側、ピン中心にメジャーなどを当ててみてみます。
出来れば、ノギスで正確に測りたいですがさすがにこのサイズは持ってない💦
大分ザックリな測り方ですが、基準までには2~3㎜近く余裕があると考えて大丈夫そう👍
ドライブチェーンの緩みの調整
チェーンに問題ないことが確認できたら、緩みの調整を行っていきます👍
チェーンのピッチ測定後であれば、アクスルナット等は緩んでる状態だと思いますが
チェーンの緩みの調整から入る場合は、アクスルナットを緩めておきます。
①サイドスタンドを掛ける
ジャッキアップしている場合は、降ろしてサイドスタンドを掛けた状態に。
サイドスタンドを掛けた状態で、緩みを調整するのがジクサーSF250としては基本です。
②チェーンの緩みの調整
チェーンアジャストナットを回しながら、チェーンの緩みを確認。
チェーンの緩みを点検する箇所は
エンジンと、リアスプロケットの丁度中心当たりで点検。
また、アジャストナットを左右均等に回したら
タイヤを前後にしっかりと叩いて押し付けた状態で、アジャスタマークが左右合っていることを確認します。
この状態でチェーンの緩みを確認します。
ポイント
・ドライブチェーンの緩み基準値:20~30㎜
メジャーや、ノギスをあてて振れ幅を確認します。
指の太さでザックリ測るのもあり👍
アジャスタ―の調整は、締めこんでチェーンを張る方向で調整した方が失敗しにくいです。
理由としては、アジャスターを緩めてチェーンの張りを調整しようとすると
アジャスタープレートに隙間ができてしまうことで、後からチェーンが緩んでしまうことが多い為。
必ずタイヤを押し付けてアジャスタプレートに隙間が無い状態で、アジャスタマークを確認、緩みの調整をします。
③締付け
チェーンの張りの調整が完了したら、アクスルナットの本締め。
チェーンアジャスタの位置が左右で合っていることを再確認して、アクスルナットを締め付け。
アクスルナットの締め付けは必ずトルク管理をします。
締付けの力加減でタイヤの回り具合が変わり、走行に影響を及ぼすので注意です。
また、トルクレンチでの締付けは、必ず2回は確認するのがポイント。
ポイント
・アクスルシャフトの締め付けは必ずトルク管理を行う。
・リアアクスルナットの締め付けトルク:65Nm
・トルクレンチでの締付け確認は最低でも2回行うこと。
リアアクスルナットを規定トルクでしめ締付けたら、再度ドライブチェーンの緩みを点検すること。
締付けたときに、リアアクスルがズレてしまいチェーンの張りが変わってしまうことも
多々ありますので、重要なポイントなので確認は十二分におこなっても損はありません👍
チェーンアジャストナット締付け
最後に左右のチェーンアジャストナットをしっかりと締付けて、作業完了です。
アジャストナットの締め付けトルクの規定はなし。
走行チェック
作業が終わったら、できれば少し走行チェックできれば尚良しです。
何か作業忘れをしたまま、遠出をして何かあったら大惨事です💦
周辺を少し走って、チェーンの緩み、各部のナットの締め付けの確認を再度行い。
無事作業はすべて終了です👍
まとめ
ポイントまとめ
- チェーンの点検はニュートラルで、ジャッキアップして実施。
- チェーンの点検は目視、触れてガタツキなどをチェック。
- チェーンを交換する場合は、スプロケも一緒に。
- アクスルナットを緩める際はジャッキから降ろした状態で。
- アクスルはナット側を緩めること。
- チェーンの緩み調整はスタンドを掛けた状態で。
- 緩み測定はたるみが大きい中央あたりで測る。
- 張り調整は、チェーンを張る側で調整する。
- アクスルナットはキチンとトルク管理を行う。
- リアアクスルナットの締め付けトルクは65Nm。
- ナットの締め込みは何度でも確認する。
- 最後に軽く走行して、再度チェックする。
今回はチェーン点検、張り調整DIYのお話でした。
少しでも、ご参考になれば幸いです。
工具アイテム
デイトナ イージーリフトアップスタンド
チェーン作業や、リヤタイヤを浮かせる場合に活躍してくれる。
安くて、場所も取らずオススメ👍
タイヤストッパー
リアタイヤを上げた際に、車体が動いてしまうと、倒れ大惨事になってしまいます。
フロントブレーキをしっかり掛けれれば良いですが
私は不安なので、タイヤストッパーの併用で設置してます。
トーニチ トルクレンチ 差込角12.7 全長400mm
信頼性の高い東日製作所のトルクレンチ。
30~140Nmまでカバーできるので、車のタイヤのナットも締め付けれます👍
注意点は差込角12.7㎜なので、ソケットも必要です。
24㎜ メガネレンチ
アクスルシャフトのナット径は24㎜です。
こちらも、チェーン調整の作業には必須工具。
モンキーレンチでも代用できますが、大きなトルクを掛けるとナットを舐めてしまう可能性があるので
力を入れて緩めるナット側はちゃんとしたメガネレンチを使うことをオススメします。
19㎜ メガネレンチ
アクスルシャフトのボルト側の頭は19㎜です。
モンキーレンチ等でも代用可能ですが、メガネレンチがあれば重宝します。
メガネレンチセット
個別にそろえるなら、セットで買った方がお得。
これくらいのセットがあれば、大抵の整備作業はカバーできます👍
24㎜ ソケット(差込角9.5㎜)
トルクレンチ用の24㎜ソケット。
差込角が9.5㎜のタイプ。
工具(ラチェットレンチ、トルクレンチ)によって異なるので、しっかり確認しましょう。
24㎜ ソケット(差込角12.7㎜)
こちらは、差込角12.7㎜のタイプ。
ドライブチェーン(DID)
ジクサーのドライブチェーンの規格は520の108リンクです。
もし交換が必要になったら、ゴールドか、ブラックメッキがオススメ。
厚いメッキコーティングにより、錆びに強くほぼメンテフリーになります👍
DIDなら、108リンクのピッタリサイズもあるので調整不要でオススメ。
ドライブチェーン(RK)
こちらも、有名なRKのチェーン。
DIDより割安だけど、108リンクのピッタリサイズがない・・・。
カシメキット
チェーンをかしめるのに、必需品。
これは#50系に対応してる為、中大型バイクまで対応可能で
チェーンカットまでできるのでオススメ。
長い間バイクと付き合うつもりなら、数回の工賃分で元が取れちゃいます👍