今回は、やっと乗り始めてバイクの調子が見えてきたので
キャブをセッティングの見直しをしようと思います。
私のセローには、前オーナーから「KEIHIN PE28 」キャブレターが
すでに洗浄されている状態だったので
シール関係を新しくして、組んであります。
その時の記事はこちら↓↓
[セロー225 2LN] PE28キャブ分解組付け
今回は、セローのキャブを弄るお話。 バイク修理作業はサービスマニュアルや、組付け指示書なるものは全く参考にしないでの作業 ...
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今の時代、バイクもFI(フューエルインジェクション)化がほとんどですが
まだまだ、キャブレター搭載のバイクも多くあります。
なのでキャブレターの構造から、改めて勉強していきたいと思います👍
【~目次~】
そもそもキャブレターって?
そもそもキャブレターってどんな構造で
どんな役割をもっているのでしょう?
キャブレターの役割
結論から言うと、キャブレターの基本的な役割は
燃料と空気を混合させて、混合気を作ることにあります。
エンジンが回るには3大要素というものがあります。
①良い混合気。
②良い圧縮。
③良い火花。
これらが、成立しないとエンジンは回りません。
逆にいうと、エンジンが不調な場合は
このどれかがうまくいっていないことになります💦
その役割の中でキャブレターは、良い混合気を作り出す存在になります。
キャブレターの原理
キャブレターの構造は、ざっくりいうと霧吹きみたいなものです。
昔、子供時代にストローを使った霧吹きで遊んだ経験はありませんか?
この原理と全く同じなんです。
空気が通ることによって生じる負圧によって、燃料を吸い上げる構造をしています。
この吸い上げる燃料の量を調整することで、良い混合気(空燃比)を
作り出すわけですね👍
なぜ、空気の量は調整せずに燃料の量を調整するのでしょう?
それは、エンジンが「空気を吸う」というのは
ピストンが下がった際の負圧で吸うことになります。
そして、キャブレターのスロットルバルブによって吸われる空気の量が調整されます。
なので、スロットルバルブで吸われる空気の量が決まるということは
それに合った燃料を調整することで、適正の混合気にすることができるということになる訳です。
キャブセッティング=燃料量の調整と思って良いと思います。
なので例えば、エアークリーナーを変えて空気が入りやすくなったりした場合は
当然、吸われる空気の量が変わるので、キャブセッティング(燃料量)の再調整が必要と言われるのもイメージがつきますね。
キャブレターの構造
ここからは、キャブレターの各部品構造について解説していきます👍
スロージェット
空気通路が細く、スロットル全閉~1/4開度(アイドリング~低回転時)の負圧が低い時に主に供給する通路。
ちなみに、上の図は強制開閉式のキャブの構造図です。
スロットルが閉じている時は、メインジェットの吐出口は塞がれてしまうので
その後方にある、スロージェットにエンジンの負圧で吸い上げられます。
スロージェットは、アイドルから低回転域の領域で主に燃料を供給します。
エアスクリュー、ミクスチャースクリュー
先ほどアイドリング~低開度の領域はスロージェットが担っていると
書きましたが、そのほかに実は調整役がいます。
それは「エアスクリュー」と「ミクスチャースクリュー」です。
「エアスクリュー」、「ミクスチャースクリュー」とは
スロットル全閉(アイドル)のときの、空気量又は燃料量を調整するネジの事を言います。
ジェットニードル
ジェットニードルはメインジェットに刺さる
テーパー状に加工された針の部品の事を言います。
スロットルを開けて、いきなりメインジェットから燃料が供給されないように
スロットル開度に応じて徐々にメインジェットの開口面積を広げるようにするために
ジェットニードルが大事な役割を担っています。
そのため、ニードルの先のテーパー形状も絶妙に
混合比を調整するように設計されています。
ジェットニードルは、アクセル開度1/4~3/4の領域の調整を担っています。
メインジェット
メインジェットは、一番主たる燃料の供給口となります。
メインジェットは、スロットル半開~全開までの領域の燃料供給を担います。
キャブの種類
バイクのキャブレターの種類には大きく分けて
・負圧式
・強制開閉式
の二つがあります。
負圧式(CV)キャブレターの特徴
負圧式キャブレター(通称:CVキャブ又はSUキャブ)と呼ばれるものの特徴として
スロットルバルブが付いています。
セロー225 2LNの純正はこの負圧式SUキャブレターです。
ハンドルのスロットルを回すと
スロットルワイヤーを介して、スロットルバルブが開きます。
スロットルを開けることで、反対側のスライドピンがある通路にエンジンに吸われる
空気量が増えることで負圧が発生し
その負圧で、スライドピンが上に引き上げられます。
スライドピンが上昇することで、その空気量に応じた燃料量が供給され
適正な空燃比に調整ができるのです。
強制開閉式(VM)キャブレターの特徴
強制開閉式のキャブレターの特徴として
負圧式のキャブレターと違うところは、バタフライバルブがありません。
スロットルバルブはピストン部分が担っています。
強制閉会式のキャブレターは、グリップのスロットルから直接ピストンが引き上げられます。
そのため、ハンドルのスロットル操作が吸入空気の量にダイレクトに効いてきます。
強制開閉式がハンドルのスロットルに対するレスポンスが良いとされるのは、この為です。
キャブセッティング
では、キャブレターの基本的なセッティングとは
どういったものなのでしょう?
アイドル~低開度領域
アイドル~低開度の領域は「エアスクリュー」又は「ミクスチャースクリュー」と
「アイドルアジャスター」で調整します。
エアスクリューは強制開閉式のキャブの名称で
その名の通りアイドリング時のエアー(空気)の量を調整します。
・右に締める → 空気量を少なくする → 混合気が濃くなる。
・左に緩める → 空気量を増やす → 混合気が薄くなる。
また、ミクスチャースクリューは負圧式キャブに搭載されている機構で
こちらは、供給する燃料量を調整します。
・右に締める → 燃料量を少なくする → 混合気が薄くなる。
・左に緩める → 燃料量を増やす → 混合気が濃くなる。
お気づきでしょうか?
実はキャブレターのタイプによって
アイドル時の調整スクリューの役割が異なるのです。
ポイント
・キャブレターのタイプによってスクリューの回す方向が異なるため
キャブレターの種類をしっかり確認するべし!
それと、「アイドルアジャストスクリュー」でアイドル時のスロットル開度を設定することで
安定したアイドル回転を保つことができます。
スロットル1/8開度~3/4の領域
スロットル開度を%でいうと、全開を100%としたときに
12.5%~75%くらいの中間領域になります。
ここではジェットニードルが大きな役割を果たしています。
ジェットニードルの軸径を変更したり
テーパー角度を変更したり
軸の取り付け位置を上下させたり
することで燃料供給量を調整します。
例えば、ジェットニードルはメインジェットに挿入される位置にあり
その隙間から、燃料が供給されます。
ピストンが上昇するとともに、ジェットニードルも引き上げられ
先端が細くなることで、メインジェットとの隙間が多くなり
供給される燃料も徐々に増えることになります。
なので、当然ジェットニードルの径を太くすると
メインジェットの穴との隙間が小さくなるため
吐出する燃料を絞る=混合気が薄くなることになります。
細くすれば、その逆ですね。
また、ジェットニードル位置を上下させることで
ピストンの位置に対してジェットニードルの位置関係を変えることができます。
たとえば、ジェットニードル位置を下げると
ニードルのテーパー部分が上がるまでピストン(スロットル)を開く必要が出てきます。
スロットルは開き側になるけど、ジェットニードルは燃料を絞る=混合気は薄くなることになります。
逆に、ジェットニードルの位置を上げると
早くテーパーの部分が上がるようになる=メインジェットとの隙間が多くなる側
燃料が多くなる=混合気が濃くなる訳です。
ポイント
・ジェットニードル位置を上げると、燃料が濃くなる。
・位置を下げると、燃料は薄くなる。
なかなか、ややこしいですが
原理や構造が分かればそんなに難しいことはありません👍
スロットル全開(100%)の領域
スロットル全開の領域は
ジェットニードルは完全に引きあがっていて
燃料はメインジェットが主な供給を担います。
そのため、ここではメインジェットの径が燃料供給量を決めることになります。
スロットル全開時に吸入される空気量に対して
メインジェットの径が細ければ、供給量が足りず
混合気は薄くなりますし
径が太くて過剰な供給量になれば
混合気は濃くなる訳です。
ポイント
・メインジェットの径を太くする=濃くなる。
・径を補足する=薄くなる。
というわけですね。
まとめ
キャブレターの調整と一言で言っても
キチンと理解していないと、何処を調整しないといけないか把握できません。
どのスクリューやジェットがどの領域を担っているかを把握して
少しづつ調整するのがベストです。
決して、複数の箇所を一遍に変更するのはオススメしません。
どこを変えたら、エンジンの調子がどう変わったかが分からなくなるためです。
ポイント
・調整の場合は、一か所づつエンジンの変化を確認しながら実施すべし!
今回は、キャブレターの概要のお話でした。
次回は実際に、セローのキャブセッティングを実施していきたいと
思います👍
ご参考になれば、幸いです。
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