ジクサーSF250のお話。
マフラー交換の際に、純正のO2センサーは基本的に付け替えするのが普通。
でも、O2センサーが固着して取れなかった場合どうするの?
ってお話。
実はというと、マフラー交換時に
私自身がO2センサー外れなくて、困ったんですよね~💦
この記事はこんな方におすすめ
- O2センサーって何?
- O2センサーが外れない!!
- そんな時どうする!?
- 代用品で対応できるものは無いの⁉
同じ境遇の方に少しでも、ご参考になれば👍
注意ポイント
この検証内容はあくまで個人的主観の元、実施しています。
ご参考にされる場合は、自己責任の上でお願い致しますm(__)m。
いかなる不具合も保証致しかねます。
まずもって、O2センサーとはどんなセンサーなのか?
【~目次~】
O2センサーとは?
O2センサーとは、その名の通りO2(酸素)検知センサーです。
ジクサーの場合、排気管に付いてるこのセンサーの事↓↓
基本的には、触媒の直前に付いていることがほとんどです。
先端のセンサー部が、排気管の中に突き出るような形で付いており
排気ガスに直接あたるようになっています。
O2センサーの機能
O2センサーは、排気ガスに触れることで
排気ガス中のO2(酸素)濃度を検出し、空燃比の状態を把握することが主な役割です。
O2センサーは、排気ガス中の酸素濃度によって
理論空燃比より、濃い(RICH)、薄い(LEAN)のどちらかを出力します。
現在の排気ガス中の空燃比の状態を把握することで、
燃料噴射量を制御し、理論空燃比付近になるように
することが主な目的です。
まあ、細かなことを言うと
空燃比の制御は、すべてが理論空燃比だけに
合わせるだけではないですが
話が脱線しそうなので、ココでは割愛します💦
触媒との密接な関係
では、なぜ理論空燃比に制御する必要があるのか?
それは、触媒と密接な関係があります。
触媒は、排気ガスを浄化するアイテムですが
実は効率良く浄化できる、空燃比の領域というものがあります。
上記の触媒の浄化効率の図のとおり
浄化率100%に近いほど、排気ガスを無害化できるということです。
その為、CO、THC、NOxともに浄化率が高い空燃比は
14.7の理論空燃比付近だということが分かります。
そう、理論空燃比付近に制御することで
触媒で効率よく、浄化させ
有害な排出ガスを低減させるのです。
むしろ、近年の厳しくなる排ガス規制をクリアするためには
細かな制御を行い、効率よく触媒で浄化させる必要があるということ。
ひと昔前に、キャブレターだった時代から
インジェクタ―(EFI)に切り替わったのは、これが理由な訳ですね👍
O2センサーの大体の話と必要性が分かったところで、本題に戻ります💦
O2センサーの取り外し
社外マフラーに交換する場合、O2センサーを移植する必要があるため
純正マフラーから、取りはずして
社外マフラーに組付けなおさなければなりません。
因みに、ジクサー同様
大抵のバイクのO2センサーの6角部は17㎜で
配線の根本のカプラーもギリギリ通せるので、メガネレンチを使うのをオススメします。
スパナ等の場合、センサーが硬いと確実に頭をペロペロリ(舐め)ます💦
O2センサーが外れない!?
O2センサーが外れない理由。
・長年使っていた場合の固着。
・締付け過ぎによる、ネジ山の潰れ。
・熱による、焼き付き。
等の理由で、O2センサーが外れない場合があります。
外れない場合はどうする?
もし、普通に緩めようとして
どうしても緩まなかった場合
又は、緩むけどいつまでも固くて手で緩まない場合は
そこで、一時作業を中断しましょう。
決して、無理してはいけません。
普通であれば、根本が緩めば手回して簡単にセンサーは外れます。
ただし、どうしても緩まない場合は
上記で言ったとおり、焼きついていたり
ネジ山がつぶれてしまってる可能性が高いです。
因みに、実は自分のジクサーも同様で
外れなかったのですよ~💦 (さすがインドクオリティ?)
どうしても、外れない場合の速攻手段としては
・バイク屋に持って行って、対応してもらう。
・あきらめる。
の二つしか、ありません💦
無理やりにでもすれば、自分で外すことは可能かもしれませんが
但し、その場合
センサー、および排気管側までのネジ山も破壊してしまい
修復するのに、大変な作業になってしまいます。
しかも、そんな状態ではバイクも乗れる状態ではないので
バイク屋にも持っていくことも困難に・・・・。
初めから、バイク屋へ持って行って相談した方が
結果的に良いです💦
ただしそれでも、ネジ部の異常は変わらないので
プロの手で、簡単に外れればラッキーですが
最悪、センサーのネジ山修正、又は新品交換し
排気管のネジを修正加工、又はネジ部の再溶接など・・・。
大掛かりな作業になってしまい、工賃も大変な金額になることは容易に想像できます💦
ということで、何とか自分のやれる範囲で
且つ、余計なお金を極力かけずに
対応策を練ってみようと思います👍
対応策の検討
この場合の私の結論としては
あきらめるです💦
ただし、
O2センサーを純正マフラーから無理に取り外すのをあきらめるだけで
マフラー交換をあきらめるわけではありません👍
せっかく買ったマフラーも勿体ないしね💦
用は、O2センサーをもう一本入手できれば
交換するマフラーを組付けることができという訳👍
O2センサーの入手
入手に当たってはいくつかの手段があるので、考察していきます。
純正部品で注文
まず一番ベストな手としては、純正部品でO2センサーを注文するのが
確実で、手っ取り速い👍
純正部品の注文は、パーツリストがSUZUKIから公開されているので
そちらで品番を確認すれば、簡単に量販店で注文することが可能です。
パーツリストに関しては、過去記事でご紹介しているので参考にしてみて下さい↓↓
【ジクサーSF250】パーツリストを無料でダウンロード!!
ご存知の方もいらっしゃるかもですが、実はSUZUKIのバイクはパーツリストが 無料で公開されています!! SUZUKI公 ...
続きを見る
パーツリストは、部品構成は分かるので
整備するにも滅茶苦茶重宝します👍
純正のO2センサーは高い!!
純正部品での注文は可能ではあるのですが
一番ネックなのは、価格が滅茶苦茶高いこと!!
これは、どの機種でも言えることですが
センサー関連の部品は、めちゃくちゃ高いです💦
O2センサーなどは、1万~2万5000円程度はします。
本来、問題なく外れれば
お金なんて掛からないのに、マフラー交換に
プラスαで掛かる金額にしては、とてつもなく高い訳です。
さすがに、純正で新品を注文する気にはなりませんね💦
ヤフオクで中古を探す
もう一つの手段としては
ヤフオクなどの、中古品から探すこと。
ただし、古い年式のパーツなら
ヤフオクでも出品されていますが
ジクサーは最近発売されたばかりなので
よっぽどのことが無い限り
パーツ売りが出回ることは滅多にありません💦
まずもって、ジクサーの中古のセンサーを手に入れることは困難です。
代用品を探す
最後の手段としては似たような性能のもので、
代用が可能なO2センサーを使うということになります。
その為に必要な要件としては
・センサー特性が同じ。
・センサー形状、ネジ径が同じ。
・配線コネクタが同じ形状。
・配線長さが足りていること。
でしょうか。
センサー特性
センサー特性とは言っても、同じO2センサーには変わりないので
制御性等はどれも同じと思われます。
ココで判断する材料としては、主要諸元のデータで判断しようと思います。
【ジクサーSF250諸元(国内仕様)】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0-1V |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 20℃ | 5.49-6.91Ω |
念のため、自分のジクサーSF250のO2センサーヒーター値を
テスターで測ってみます。
抵抗を測る端子はココ↓↓
冷えてる状態での、抵抗値は6.6Ωなので
標準範囲の5.49~6.91Ωの間にあるので、「問題なし」と判断ができます👍
他機種のスペック
SUZUKI系他機種の諸元情報を集めてみました👍
全て2021年9月時点における、現行機種のO2センサーの諸元です。
【ジクサー150】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.3 - 1.2V |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 20℃ | 5.49-6.91Ω |
【GSX250R】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.4V以下 |
5000rpm | 0.6V以上 | |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 23℃ | 11.5 - 17.5Ω |
【V-STROM250】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.4V以下 |
5000rpm | 0.6V以上 | |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 23℃ | 11.5 - 17.5Ω |
【バーグマン400】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.6V以下 |
5000rpm | 0.6V以上 | |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 23℃ | 11.5 - 17.5Ω |
【SV650】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.6V以下 |
5000rpm | 0.6V以上 | |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 23℃ | 11.5 - 17.5Ω |
【GSX-S750】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.6V以下 |
5000rpm | 0.6V以上 | |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 23℃ | 11.5 - 17.5Ω |
【GSX-R1000R】
項目 | 仕様 | 標準 |
HO2センサー出力電圧 | アイドリング回転速度 | 0.6V以下 |
5000rpm | 0.6V以上 | |
HO2センサーヒータ電源電圧 | ー | バッテリ電圧 |
HO2センサーヒーター抵抗値 | 23℃ | 11.5 - 17.5Ω |
上記の諸元を見比べてみると
GSX250RとV-STROM250は同じ諸元。
バーグマン400、SV650、GSX-S750、GSX-R1000Rは
同じ諸元のO2センサーの仕様だということが分かります。
配線長さはきっと車種によって違いがあると思います。
ジクサーの代用となる物は?
結局のところ、ジクサーと全く同じ仕様の車種は無かった
という結果なのですが、もう少し考えてみます。
O2センサーヒーター抵抗値
明確な違いが見られたのは、「O2センサーヒーター抵抗値」です。
これはいったい何か?
O2センサーヒーター
O2センサーも触媒同様に、本来の性能を発揮(活性化)するためには
センサー素子が一定温度以上(300℃)にならないといけません。
当然、エンジンを掛ければ
排気熱でセンサーは温められるのですが
それだと、センサーが温まって活性するまでに時間を要してしまい
その間、空燃比を適切に制御できずに
触媒で効率よく浄化ができません💦
その為、センサー自らヒーターを内蔵し
温めることで、早期に活性状態にして
空燃比制御を適切に行うことで、排ガスの浄化を
早期に行わせることができます。
そうすることで、厳しい排ガス規制をクリアしている訳です。
余談ですが、ヒーター機能なしのO2センサーも車種によってはあります。
その場合、排気熱を利用するため
エンジンの出口のすぐ後についてるものが多いです👍
抵抗値の違い
ココからはあくまでも、私の推測の範疇ですが
一般的なオームの法則と、ジュール熱から考えてみます。
ジクサーの諸元から
電圧=バッテリ電圧=14.0Vと仮定。
抵抗値は5.49 - 6.91Ωの中央値より6.2Ωとします。
オームの法則の「I = V / R」より
流れる電流値は約2.26Aとなります。
比較対象はGSX250Rの諸元で観てみます。
電圧=バッテリ電圧=14.0Vと仮定。
抵抗値は11.5 - 17.5Ωの中央値より14.5Ωとします。
オームの法則の「I = V / R」より
流れる電流値は約0.97Aとなります。
ここで、ジュール熱。
ジュール熱(ジュールねつ、英: Joule heat)は、(抵抗がある)導体に
電流を流したときに生じる発熱であるジュール効果によって発生する熱エネルギー。電気抵抗[R]の物体に、I[A]の定常電流をt秒間流した時に発生する熱量。
抵抗[R]と電流[I]の二乗の積に比例する。
Q = RI^2t
引用元:wikipedia
計算してみます。
電流を流す時間[t]を10秒と仮定。
ジクサーの抵抗値を計算すると
6.2[Ω]×2.26^2[A]×10[t] = 280.2[J]
GSX250Rの抵抗値での結果は
14.5[Ω]×0.97^2[A]×10[t] = 281.3[J]
なんと!センサーの抵抗値が違っても、発生する熱量は同じという結果になりました👍
結論として、何が言えるかっていうと
【結論】
・センサーの仕様は違うけど、機能は同じ。
・GSX250Rのセンサーであれば、消費電流も少なくて済む。
・電流が少ない側なら、ジクサーへのダメージは問題無い。
ジクサーの諸元の電流値より、想定以上の電流が流れてしまうと
ヒューズが飛んだり、配線が熱を持つことによる発熱が懸念されますが
必要電流が少ない分には、問題ないと考えます👍
後は、GSX250Rのセンサーの配線長さと
配線カプラの形状が合えば、流用可能ということです👍
上記の考え方と、計算が合っているなら・・・ですが💦
GSX250RのO2センサー
因みに、なぜGSX250Rを選んだかと言うと
中古のO2センサーが数多く出回ってるから👍
しかも、ヤフオクだとおおよそ1500~3000円程度で出回ってるので安く入手できる👍
配線長さ
これが、ヤフオクで購入したGSX250RのO2センサー。
出品された車両としては7000km前後の車両の物らしく。
自分のジクサーの走行距離と大きく変わらないので、ちょうど良いと思い購入👍
配線長さとしては、ジクサーの配線より10㎝程度長いみたいで
長い分には全然問題ない👍
これで、配線長さの問題はクリア👍
センサーコネクタ形状
これがジクサーのO2センサーの配線コネクタ。
コネクタの形状として重要なのは
抜き差しする際にロックを解除する「爪」の部分と
メス側のコネクタと勘合する突起部分の位置です👍
GSX250Rと見比べてみます。
コネクタの形状も問題なさそうです。
これで問題なく付きそうなことも分かりました👍
組付け時の注意点
センサー組付け時は、ネジ部にモリブデングリスを塗布することを忘れないように!
一か所に、チョンと塗布だけでOK。
焼き付き防止となります👍
締付けトルク
O2センサーの締め付けトルクは
「25Nm」
ですがこの場合、レンチタイプのトルクレンチでないと
締付けれないので、工具でしっかり締め付けて
配線接続後、最後にエンジンを掛ける際に
漏れチェックをして、漏れが無ければOKです👍
取付後の確認は?
O2センサーを組み替えた後は、エンジンを掛けて
エンジンチェックランプが点灯しないか確認します。
GSX250RのO2センサーを付けて、500kmくらい走ったけど
エンジンチェックランプも付かないし、問題なさそうです👍
定期的にプラグの状態も確認しておけば、エンジンの
燃焼の状態も把握できるので、良いかもです👍
学習値のクリアが必要!?
O2センサーを替えた場合、学習値をリセットすることが
メーカー推奨とされています。
学習値とは?
学習制御とは、車でも、バイクでも一般的な制御で
予め、理論空燃比に対してのズレ量を記憶(学習)しておくことで
空燃比の変動を極力抑えるための制御です。
コントロール・ユニットによる空燃比フィードバック補正で空燃比を
引用元:AUTOMOTIVEJOBS
理論混合比付近に制御しているが、経時変化等による空燃比のずれの補正には限界があり、
補正範囲を越えると制御が困難になる。
そこで、コントロール・ユニットは基本噴射量が理論空燃比から
ずれていないか絶えずチェックし、常に理論空燃比に近づくよう制御している。
メッチャザックリなイメージは下記
※あくまでイメージであり、実際の制御とは異なります。
O2センサーを交換したことで、学習値がリセットが必要なのは
センサーの個体のバラつきで、学習量が変わってしまう為です。
学習値のリセット方法
学習値のリセット方法としては、自分ではできません💦
メーカー専用の自己診断器を接続しないと、操作できません。
その為、バイクショップ等に持ち込んで
お願いするしか、手はありません💦
事情を説明すれば、問題なく対応してもらえるとは思いますが
そもそも、純正部品の対応ではないので
対応してくれるかは、微妙なところかもしれません。
また、これで異常が発生しても
保証等は一切受けれないでしょう💦
いずれにしろ、自己責任の範疇ですが
最悪の場合、ノーマルマフラーと元のO2センサーがあれば
組戻せば、復旧は可能です💦
実際問題、学習値をリセットしなくてもエンジンとしては特に異常ではありません。
走行時に再度学習しますし、エンジンチェックランプや
プラグの状態を気にしておけば、まず問題ないと私は思ってます。
実際問題、自身のジクサーも快調です👍
とういうことで、様子見しながらバイクライフを楽しもうとおもいます👍
今回は、O2センサーのお話でした~。
少しでも参考になれば幸いです。
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