ジクサーSF250

【ジクサーSF250】ブレーキフルード交換DIY!!

今回はジクサーSF250の前後ブレーキフルード交換をしていきます。

前回に自作した、ブレーキフルードブリーダーを使って

フルード交換をしていこうと思います👍

この記事はこんな方におすすめ

  • ブレーキフルード交換の必要性って?
  • フルード交換でどうやるの?
  • 作業のポイントは?
  • ブリーダーの使い方を知りたい!

注意

ブレーキは重要保安部品です。

作業に不安がある方は、必ずバイクショップにお願いしましょう。

本記事は、いかなることも保証致しかねますので

自己責任にてお願い致します。

まずは、ブレーキフルードというものは何なのでしょう?

機能や、交換の必要性を調べてみます👍

ブレーキフルードとは?

ブレーキフルードをWikiより参照してみます。

操縦者がブレーキペダルやレバーを操作することによって
ブレーキマスターシリンダーに与えられた力が、
ブレーキフルードによってブレーキキャリパーやドラムブレーキのホイールシリンダーへ伝達される。

マスターシリンダーの断面積よりキャリパーやホイールシリンダーの
ピストン断面積のほうがはるかに大きいため、
パスカルの原理により、小さな操作力で大きな制動力を得ることができる[1]。

主としてグリコール系の液体が使われる。

一般的に言われるオイル(潤滑油)ではなくフルード(作動油)のため
「ブレーキフルード」(ブレーキ液)と呼称するのが適切である。

しかし、ブレーキシステム自体を油圧式ブレーキと呼ぶことが多く、
また過去の一時期の一般的なブレーキシステムや、
初期の植物性油と現在の化学合成油の間のハイドロニューマチック・システムには
鉱物油(オイル)が用いられているため、ブレーキオイルと呼ばれることも多い。

ブレーキフルードには、

粘性が低い。
圧力による体積の変化が小さい。
-50 ℃ でも凝固せず、200 ℃ でも沸騰しない。
シール類を傷めない。
という性質が要求される。

ポリエチレングリコールモノエーテルがこれらの性質を満たすため、主成分として良く用いられている。

その他、競技車両や一部の車種では、シリコーン系や鉱物油系のフルードも使用されている。

いずれも、経年劣化による性能の低下があるため、劣化に応じて交換する必要がある。

引用元:Wikipedia

要は、ブレーキレバーを握った際の力を

出典:バイクの系譜

ブレーキパッドを押し付ける力として油圧として伝える

出典:バイクの系譜

この動力伝達に必要な、油脂部品(液体)をブレーキフルードと言います。

ブレーキの構造や、メカニズムなどは

ググってみて下さい👍

ブレーキフルードの種類

ブレーキフルードの種類としては

「グリコール系」、「シリコン系」、「鉱物油系」に大別される。

特性としてグリコール系が主とされるらしい。

グリコール系

ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分である。

これに酸化防止剤・防錆剤などが添加されている。

グリコール系は吸湿性が高く、湿気を吸うと沸点が下がってしまうが、
吸湿しても沸点を比較的高く維持できるようにホウ酸でエステル化してある。

水分があってもこのエステル結合が加水分解されることにより、遊離の水を減らすことができる。

また、グリコール系は塗装を浸食しやすい。

塗装面に付着した場合は、水でできるだけ早く洗浄する必要がある。

レース用などグレードが高いフルードほど沸点は高く、低粘度で応答性が良い反面、
吸湿しやすく(寿命が短く)、塗装を痛める傾向がある。

経時劣化により沸点が低下するため、
一般的に(JIS 3種、DOT 3、BF-3で)2 - 3年ごとの交換が推奨されている。

引用元:wikipedia

劣化度合いが少なく、長期間に渡り

安定した性能を維持できるのが、「グリコール系」な訳ですね。

大体、市販されているブレーキフルードは「グリコール系」が多いです。

グリコール系の特徴としては塗装に付着すると剥げてしまうので、注意が必要なのと

吸水性が高い為、性能の維持のため定期的に交換が必要ということです👍

シリコン系

ジメチルポリシロキサンを主成分とするフルードである。

一部のレース用として使用される。

吸湿せず、塗装を侵すことも無いが、ブレーキシステムのシールなどのゴム類に対して攻撃性が高い。

吸湿性がないため、混入した水は溶けずに水滴のまま存在する。

このため水分が混入した場合、フルードそのものの性能とは関係なく、
混入した水滴が沸騰や凍結を起こしてしまう可能性がある。

ハーレーダビッドソンではシリコーン系が用いられてきた。

ただし、2005年以降は一部の車種を除いてグリコール系に移行している。

なお、主流のグリコール系と混ざると分離するため、混用することは出来ない。

基本的にシリコーン系と指定されたブレーキシステム以外には使用してはならない。

引用元:wikipedia

シリコーン系の特徴としては

・レース用途が多い。
・吸水性が無い。
・ゴムシールへの攻撃性が高い。
・グリコール系と混ぜてはいけない。
・一部外車のバイクに指定されている。

ということでしょうか。

ポイントとしては

性能としての劣化が少ない分、高い性能を維持することが可能ですが

ゴム部品への攻撃性が高い為、専用のパーツ(配管、ゴムシール)が必要になることと、

指定部品の為、グリコール系と混ぜて使用してはいけないこと。

一部年式の外車では指定されているとのことですので

自分の愛車の情報はしっかりチェックしなければなりません👍

鉱物油系

石油から生成された鉱物油(鉱油、オイル)を主成分としたフルードである。

ミネラル系、鉱油系とも呼ばれる。

シトロエンのハイドロニューマチックシステムが搭載された車種では、
サスペンションやステアリングとブレーキのオイルを共用していたため、鉱物油が使われる。

ブレーキ単独のシステムと異なり、オイルポンプなどを潤滑する必要があることから
グリコール系を使用することは出来ない。

また、グリコール系と混ざると分離する。

引用元:wikipedia

鉱物油系はほとんど使わることは少ないようですが

一部の車の車種で、他の油脂系と併用して扱われる場合

指定される場合があるようです。

バイクでは、まず見かけないです。

ブレーキフルードのDOT規格

ブレーキフルードにも規格があります。

ブレーキフルードには「DOT」規格というものが制定されており

アメリカの交通省(Department of Transportation)の略だそう。

一般的にDOT3~DOT5まで規格分類されています。

引用元:DIXCEL

ここで注目すべき項目は「沸点」です。

沸点とは?

沸点とは、その名の通り液体が沸騰してしまうこと。

上記の表のとおり、新品の沸点(ドライ沸点)はDOT4で230℃ですが、

1~2年使用して吸水した状態(ウェット沸点)では、155℃まで下がってしまいます。

いわゆる劣化(ウェット)という状態では、155℃になるとブレーキフルードが沸騰し始めてしまうということ。

沸騰するとどうなる?

これは、教習所でも習ったと思いますが

ブレーキはブレーキパッドで回転するブレーキデイスクを押さえることで

回転運動を熱エネルギーに変えることで、制動力を発揮するメカニズムです。

出典:toyotagazooracing.com

ブレーキングにより、発生した熱はブレーキパッドに伝わり

ブレーキフルードへ伝熱していき、ブレーキフルードの温度が上昇していきます。

ブレーキフルードが沸騰に達することで、沸騰(気化)が発生します。

沸騰し液体が気化し始めることで

ブレーキフルード内に気泡が発生してしまうと

ブレーキの油路の中にエアが溜まってしまうことになります。

ブレーキを踏んでも、効かない。

いわゆる「べ―パーロック現象」が起きてしまうことに💦

ブレーキフルードの交換年数

上記の表より、DOT4のドライ沸点から

ウェット沸点の変化を見た場合

2年程度で沸点が230℃→155℃まで低下します。

年数による劣化率は2次関数的に推移するといわれています。

出典:honda.co.jp

上記の表に記載の、新品(ドライ沸点)と2年後(ウェット沸点)の

推移を極端に試算した場合は、下記のようなグラフになります。

とても極端な計算ではありますが💦

経過年数が立つほどに、沸点は低下し

すぐにべーパーロック現象が起きてしまう危険な状態になってしまうことが分かります。

一般的な交換目安が、2年毎になっているのも頷けますね👍

ポイント

ブレーキフルードは最低でも2年毎に交換するベシ!!

ブレーキフルードの重要性が分かったところで

ジクサーのフルード交換作業に入っていこうと思います👍

因みに、ジクサーの走行距離としては約13000kmで1年半での交換となります。

フロントのフルード交換

まずは、フロントブレーキのフルード交換から始めていきます👍

1.車体を水平状態にする。

もし、バイクスタンドがあれば

バイクスタンドで車体を垂直状態にします。

バイクスタンドなければ、作業ができない訳ではありません。

無くても可能ですが、フルードのリザーバーの面が水平にならないので

その分を考慮してあげれば問題ないです👍

ハンドルは垂直状態(真っ直ぐ)にします。

パッド自体がそこまで摩耗していないので

油面は特に見えません💦

2.古いフルードの抜き取り

フロントのリザーバーキャップを取り外します。(+ネジ)

ネジを舐めないように、ドライバーを押し付けながら緩めていきます。

押し付ける力(7)に対して、回す力(3)ぐらいで👍

キャップを取り外して

インナープレートと、ダイヤフラムも一緒に取り外します。

これらは、水洗いして綺麗にします。(手洗い)

特にダイヤフラムは洗いながら、破れや穴あきが無いかしっかり確認すると良いです👍

水洗いが済んだら、水気をしっかり拭き取り乾かしておきます。

ブレーキフルードは吸水性が高いので、しっかり拭き取って乾かすこと👍

因みにダイヤフラムに穴や破れがあった場合は直ぐに交換しましょう👍

フロントの純正部品の品番は「59667-12K00 ダイヤフラム」です。

そしてリザーブにある古いフルードは

スポイトを使って

吸い上げてしまいます👍 チューチュー!

リザーブの中のフルードを吸い上げる分には、エア噛みはしないので問題ありません。

ただし、リザーブタンクが空の状態で

ブレーキレバーを操作してしまうと、エアが噛んでしまうので

この状態のでブレーキ操作は禁止です💦

ポイント

フルードを抜き取った空の状態でブレーキ操作は行わないこと!!

また、写真にはありませんが

作業中は、リザーブタンク廻りをウエス等で覆って

垂れても、他に掛からないようにしっかりと養生しましょう👍

エア抜き作業

リザーブタンクのフルードを抜き取ったら、親油を投入していきます👍

今回、使用するのは

デイトナのブレーキフルードDOT4です👍

これは300mlサイズで、フルード交換に適量なのでオススメ!

SUZUKIの指定はDOT3又は、DOT4ですが

基本的にはDOT4をオススメします👍

リザーブタンクに注ぎます。

量は気にせず、溢れない程度に注ぎます。

リザーブ廻りや、カウル周辺に垂れ落ちないように

しっかりとウエスで養生して注ぎます👍

リザーブに親油を注いだら

配管内のフルードを交換していきます。

エアブリーダー

ここで、以前自作した

オートブリーダーの登場です👍

ブリーダーの自作方法は過去記事にて紹介してるので、参考にしてみて下さい↓↓

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ブリーダーのボトルに少し水を入れておく

安定性も増しますし、フルードが水溶性なので

すぐに希釈できます👍

そして、フロントブレーキのブリーダーパイプに8㎜のメガネを合わせて

その上から、ブリーダーボトルのオイラーホースを差し込みます。

メガネレンチは、ショートタイプが使いやすいのでオススメ。

メガネレンチでブリーダーパイプを緩めます。

ブリーダーのスプレーをポンピングして、古いフルードを吸い上げていきます👍

オイラーホースが長い場合は、手が届く範囲で調整しても良いです。

ある程度、スプレーをポンピングすると

勝手にフルードが流れていきます。(サイフォンの原理です)👍

その状態を動画で取ったので、見てみて下さい!

勝手にフルードが流れているのがみえます。

通常のブレーキポンピングをせずとも、簡単にフルードが入れ替わっていきます👍

エアーが噛んで流れて見えるのは、

緩めたブリーダーパイプの隙間からエアーを吸っている為です。

この状態で、ブリーダータンクが空にならないように

気を付けながら、補充をしていきます。

ココがポイントで

自作オートブリーダーでフルードを交換時に

リザーブが空になって、エアを噛んでしまうことが無いようにしないといけません💦

ポイント

リザーブタンクは空にならないように、フルードを補充をすること!!

リザーブが空になってしまうと、ブレーキラインにエアが噛んでしまう為

そのエアを抜くために、更にエア抜き作業をしないといけなくなります💦

入れ替えの終わり

新しいフルードを2~3回補充できれば、配管内のフルードは

入れ替わったと判断して良いと思います。

最後はポンピングでエア抜き

エア抜きの仕上げは、通常通りのブレーキポンピングで仕上げます。

これは、確実にエアが噛んでいないことを確認するためです。

①ブリーダーを締める。

キャリパーのブリーダーパイプを締めこみます。

オイラーホースは接続したままです。

②ブレーキレバーをポンピング

ブレーキレバーを握って、握って、握って。

レバーが硬くなったらそのまま、握った状態で保持します。

ブレーキレバーを握った状態を保持したまま

キャリパーのブリードパイプを緩めて、すぐに締めこみます。

ブリードパイプを緩めると、握っていたブレーキレバーが更に、奥に入ります。

その状態で、レバーを握ったまま

キャリパーのブリードパイプを締めこみます。

すると、オイラーホースからフルードが押し出されます👍

これを、2~3回程度繰り返して

押し出されるフルードにエアが噛んでいなければエア抜き完了です👍

③リザーブタンクの補充

最後に、リザーブタンクにフルードを補充します。

この時の量は、抜く前の量を目安に注ぎます👍

この時に、FULLまで入れてしまうと

今度、ブレーキパッドの交換時に溢れてしまう可能性があるので

注ぎ過ぎには注意が必要です👍

④キャップの復元

最後に、リザーブキャップのダイヤフラムとキャップを

組み戻して作業完了です👍

ダイヤフラムは、しっかりと水気を拭き取って組み戻します👍

リザーブキャップのスクリューの

締め付けトルクは1.2Nmですが

特にきにせず、締め付ければOK👍

これで、フロントブレーキの

フルード交換は完了です👍

リアブレーキフルードの交換

お次は、リアブレーキのフルード交換。

基本的に、フロントと全く同じ要領で行います👍

一番初めに、リザーブの中のフルード量を確認しておきます。

今回は、ブレーキパッドは交換しないので

補充量も同じラインに来るようにするため、予め覚えておきます。

テープ等で、目印をつけておくのもgood👍

キャップ取り外しの注意

リアのリザーブタンクは、タンデムステップの奥にあるため作業がし辛い💦

その為、タンクを固定しているボルトをまず軽く緩めます。

軽く緩めて、ガタツキが出る程度にした状態で

キャップを緩めていきます。

この時に、リザーブタンクをしっかり支えておかないと、

根本の固定部が割れたりしてしまうので、注意が必要かもです💦

奥側のスクリューは短いプラスドライバーがあると

作業しやすい👍

リアのリザーバタンクも、フロント同様に

樹脂プレートと、ダイヤフラムで構成されていますので

水洗いして、乾かしておきます👍

リアのフルードは大分色が変わってしまってます💦

こちらも、リザーブタンク内の古いフルードを

スポイトで抜き取ります。(タンク廻りの養生は忘れずに!)

そして、新油を注ぐ。

新油は大分透明度が違います👍

フロント同様に、ブリーダーをキャリパーにつなげて

ブリーダーをポンピングして、フルードを入れ替えていきます👍

リア側も、リザーブキャップの中のフルードを3回程度補充すればOK👍

リアも最後はポンピングでエア抜き

フロント同様に、リアも最後はポンピングでエア抜きを実施します。

ブレーキペダルは、手で押してやれば作業しやすいです。

排出されるフルードにエアが噛んでいないことを確認して

リザーブキャップを戻して、作業完了です👍

基本的に、作業自体はフロントもリアも変わらないので

要領さえつかんでしまえば、難しいことはありません👍

フルードの処理方法は?

抜き取った古いフルードや、余ったフルードの処理は

オイル廃却で使用するポイパックで処理しましょう。

水溶性の為、大量の水で洗い流すことで処理する方法もありますが

環境には気を使いたいものですよね👍

最後は洗車がオススメ

冒頭でもお話しましたが

ブレーキフルードは塗装面等に付着すると

簡単に塗装が剥離してしまいます。

気付かないうちに、付着していて

塗装が剥げてしまったなんてことも・・・💦

なのでオススメは、作業後の洗車です。

洗車までは、面倒な場合は

ブレーキ廻り周辺のみだけでもシャワーで洗い流しをオススメします。

日常点検をしっかりと

自分で整備した時は、不安がつきものです💦

バイクに乗る際は、必ず日常点検をしっかり行うことが

事故を未然に防止する唯一の手段です👍

特に、ブレーキ関係を整備した時は

キャリパー部から、フルード漏れがないか?

ブレーキの効きに問題は無いか?

しっかり確認しましょう👍

今回は、ジクサーSF250のブレーキフルード交換DIYのお話でした~。

少しでも、ご参考になれば幸いです。

アイテム

ブレーキフルード

ブレーキフルードはDOT4が一般的でオススメ。

今回使ったのはDAYTONAの300mlタイプのブレーキフルード。

前後のブレーキフルードを入れ替える分には十分な量なのでオススメ。

こちらは、SUZUKI純正のブレーキフルード。

同じDOT4。

純正が良いって方は、こちらがオススメ。

バイクスタンド

バイクを整備するなら、何かとバイクスタンドがるとかなり効率が上がる👍

テンションも上がる👍

色んな整備作業に重宝するので、オススメ。

ポイパック

ブレーキフルードの排気は、ポイパックでキチンと

処理しましょう👍

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